公開研究発表会「寿岳文章一家 その人と仕事を追う」2018.12.15 ※終了いたしました。
始めに向日市文化資料館館長の玉城玲子氏より、「昭和初期の向日町と文化人」と題してご講演をいただきました。向日庵の「向日」という町・市の名は向日神社に由来していること、さらに16世紀に始まる「向日町」の歴史にも触れ、この向日町に昭和初期に移住した文化人達がいたことが紹介されました。陶芸家の河合卯之助を中心に、寿岳文章一家、桜博士の笹部新太郎、漢学者の狩野直喜、薬学博士で椿研究の渡邊武などの住人や、各地の文化人が集い、文化・芸術の交流が盛んであったと言われます。ここで生みだされた文化・伝統はぜひ未來へ継承するべきものと締めくくられました。
会員による研究発表は、紙漉き師で京都工芸繊維大学講師の田村正氏に『和紙研究』の解読をしていただきました。新村出、寿岳文章などによって昭和11年に和紙研究会が発足した経緯と同好の人たちの機関誌『和紙研究』創刊の苦心が紹介された。今回は解読の端緒にということで、掲載の論文・執筆者の一覧、所蔵の図書館など綿密な資料が示された。また17世紀にオランダのレンブラントがエッチングやスケッチに和紙を使用したという新村氏の論文(第1号)の紹介など興味深いお話でした。これからの解読が期待されます。
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寿岳文章と一家の文化的業績についての公開研究発表会です。今回は、寿岳文章が同人として参加していた和紙研究会が刊行した機関誌『和紙研究』を解読します。あわせて、向日町における昭和初期の文化人としての寿岳文章の人と仕事について考えます。
◆日 時 12月15日(土) 午後2時~
◆会 場 長岡京市立中央公民館 創作室
◆プログラム
昭和初期の向日町と文化人 ・・・玉城 玲子 (向日市文化資料館館長)
『和紙研究』解読 ・・・・・・・ 田村 正 (京都工芸繊維大学非常勤講師 NPO法人向日庵理事)
◆参加費 資料代として1,000円 正会員・友の会会員無料 (当日入会申し込み可)
◆定 員 60名
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